日本保険薬局協会(NPhA)が実施した調査結果から「リフィル処方箋の受付実績がある薬局は17.6%、全処方箋に占める受付回数割合は0.053%」であることが分かりました。
調査は、NPhAの医療制度検討委員会が正会員を対象に、5月24日から6月6日までWebで実施され、回答は、1社1回答(グループで一回答も可)とし、103社、1万1881薬局から得ているとの事でした。
その回答の中で、300薬局以上のチェン薬局が10社、100~299薬局が44社を占めています。
リフィル処方箋は、2022年度診療報酬改定(2022年4月)で導入された新しい制度です。
リフィルとは、補給、詰め替え、おかわり、2杯目 の意味を持つ英語で、一定の定められた期間内に反復使用できる処方箋のことです。
患者側としては、病院や診療所から受け取った処方箋を、一定期間に複数回、薬局で調剤してもらえ、再度受診しなくても済む為、利便性の面でメリットとなります。
2022年4月の改定で「リフィル処方箋3回まで、湿布薬は1処方63枚」が上限とされました。(新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬など一部のお薬は処方ができません。)
リフィル処方箋は、10年以上前から、厚生労働省を含めた政府内の検討会や審議会で検討されていましたが、日本医師会の強い反対があり、導入に至ることはありませんでした。
しかし、その導入の前段階として分割調剤が導入されていました。
分割調剤は、「薬剤師のサポートが必要」と医師が判断した場合等に行われ、処方箋に書かれた日数分の調剤を最大3回分の処方箋が発行されます。
①長期処方されたがご家庭などでの保存が困難である場合(2004年度改定で導入)
②ジェネリック医薬品を初めて使用する際、不安を取り除くために短期間試してみる場合(2008年度改定で導入)
③患者さまの服薬状況を考慮して、薬剤師のサポートが必要と医師が判断した場合(2016年度改定で導入)
「分割調剤」と「リフィル処方箋」の違いは、例えば、分割調剤では、「医師は90日分の処方箋を発行し、薬局に対して3回の分割指示します。薬局においては、医師の指示どおり30日分ずつ調剤し患者に渡します。」一方リフィル処方箋では、「医師は30日分の処方箋を、繰り返し利用できる回数(3回)を記載した上で処方箋を発行します。薬局においては、医師の指示どおり30日分ずつ調剤し患者に渡します。」が、分割調剤の場合、上記の例なら分割した枚数3枚+別紙の分割にかかる処方箋1枚の合計4枚を用意する必要があるのですが、リフィル処方箋の場合は1枚で済むという違いがあります。
つまり、リフィル処方箋は、症状が安定している慢性疾患患者などに対して無駄な診療回数を削減するために導入された制度です。
財務省の話の中では、「リフィル処方によって生活習慣病患者などの受診頻度を減らせば、医療費を抑えることができる」などとして、導入を求める意見があり、厚生労働省も、今回のリフィル処方導入によって「再診の効率化につなげる」として、診療報酬の本体部分を0.1%分押し下げると説明しています。
リフィル処方箋の制度はアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、カナダなどで導入されており、ドイツや韓国では導入されていません。
そして今回、日本でも導入された訳ですが、改定から約1カ月の状況では5%ほどだったのに対し、今回の調査では、17.6%と確実に浸透してきています。
今回の調査では、リフィル処方箋を発行したきっかけは、「患者からの要望が多い」が52社で、「医師から患者への提案が多い」(19社)を上回っていることから、今後も患者の要望で増えて行くのでは?と推測します。
しかし、処方箋の反復利用に医師の診察が不要なため、ある意味で患者任せとなり、症状の変化や過剰服用などが見逃されるケースも想定されます。
ちなみにリフィル処方箋を発行する医療機関は、「クリニックが病院より多い」(48社)との回答が大半を占めており、診療科としては、「内科・消化器内科・循環器内科」(37社)が多いとの事でした。
また、リフィル 処方の日数分布では 28 日分が最も多く、次いで 90 日分が多かったとの事で、これは、リフィルは1回29日以内で処方箋料の減算なしのためです。
薬局に関して言えば、地域でかかりつけ薬剤師・薬局の機能を発揮するチャンスとなっていると思います。