昨年2021年12月13日にダイヤモンド社から「薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰」の見出しで出ていましたが、ご覧になっていらっしゃる方も多いと思います。
ことの発端は、昨年2021年11月26日に厚生労働省の中央社会保険医療協議会総会があり、その席上で、日本医師会の城守国斗常任理事から「年々増加して6万店を超えた薬局が、適切な薬局数に『収斂』することができるかどうか。医療政策として国でもしっかり検討していただきたい・・・」の発言でマスコミが報じたものです。
財務省は2019年に薬局と他業種の店舗数を比較するグラフを、国の予算を審議する財政制度等審議会に提出しました。
「開設許可に需給面からの規制がなく、薬局数が増加している。コンビニやガソリンスタンド、郵便局よりも多い・・・」とやり玉に挙っていました。
厚生労働省は、「薬剤師は2045年には最大で12.6万人過剰になる・・・」といい、医師会、財務省からも指摘され、「薬を提供する対物業務から、患者と関わる対人業務ヘ」と薬剤師に変革を迫る圧力が高まり続けているのは確かです。
もともとは、患者は病院内の薬局や診療所の受付で薬を受け取ることが一般的だったですが、「薬を出せば出すほど稼げる。患者に不要な薬を大量に出す薬漬け医療」と社会問題となり、1974年、医療費の削減を目指す厚生労働省(当時は厚生省)が、独立した門前薬局の薬剤師が処方箋をチェックすることで医療費を削減するのが狙いで病院外で処方する場合の調剤報酬を大幅に引き上げました。
それをきっかけに門前薬局は「医薬分業」の国策に乗って急成長し、一般的に病院や診療所の前に店を構える門前薬局が当たり前の形になって今や薬局の約7割を占めるようになりました。
そして今度は、門前薬局を淘汰する施策の一つとして調剤報酬の改定が行われています。
その始まりがのひとつが、同一医療機関からの処方箋の割合(※集中率)が高い薬局の調剤技術料(42点※1点=10円)減額でした。
月に4000枚以上の処方箋を受付け、集中率が75%を超える薬局等の場合は、26点へと減らされる。さらに、大手チェーンは、同一グループで月40万枚以上の処方箋を受付け、集中率が85%超の薬局は、16点とより厳しくなりました。
それから、地域医療に貢献した報酬となる地域支援体制加算は、 2020年度改定で35点から38点へと増額されたものの2022年度改定で地域支援体制加算は1〜4の4種類に分けられました。
調剤基本料1を算定する薬局は地域支援体制加算1もしくは2を加算でき、調剤基本料1以外を算定する薬局では、地域支援体制加算3もしくは4を加算できるようになったのですが、
・地域支援体制加算1:39点(調剤基本料1算定薬局を対象)
・地域支援体制加算2:47点(調剤基本料1算定薬局を対象)
・地域支援体制加算3:17点(調剤基本料1以外算定薬局を対象)
・地域支援体制加算4:39点(調剤基本料1以外算定薬局を対象)
この算定には、クリアすべき条件があります。(ここでは細かく述べません。)
また、2021年8月からスタートした一定の条件を満たせば、地域の医療機関等と連携する地域連携薬局や、癌等専門性が高い疾患の薬学管理に対応する専門医療機関連携薬局の認定を受けられるようになりました。
従来も健康サポート薬局という制度があり、都道府県知事に届け出だけでよかったのですが。一方、認定薬局は都道府県知事の認定が必要になる為、地域連携薬局に認定される条件は、地域支援体制加算を得る為の条件とかなり近く、将来は地域支援体制加算を地域連携薬局への報酬へと置き換える方針とのことですので、行政が薬局を選別?する時代になると言われています。
認定薬局の数について厚労省は、地域連携薬局は「日常生活圏域に1つ以上」、専門医療機関連携薬局は「二次医療圏に1つ以上」という見解を示しています。
行政が使う日常生活圏域とは「中学校区」という意味で、日本の中学校の数は約1万あり、また、二次医療圏は約300です。
つまり、日本に必要な薬局数は少なくとも1万300店あればいいというラインが出来ています。
そして、後発医薬品調剤体制加算について、後発医薬品の調剤数量割合の基準を引き上げるとともに、評価も見直され、今回の診療報酬改定で新たに「リフィル処方箋」が導入されました。(ここでは細かく述べません。)
業界関係者は「薬局淘汰の時代が本格的になってきた」と言われています。
薬局M&A業界の関係者は、「薬局を売るならば早ければ早いほどよい。売るタイミングを逃したらこの先はやってこない。」とみんな言います。
東京商工リサーチによれば、調剤薬局の2021年1~11月の倒産件数は26件と過去最多に達しており、今後も増える予想です。
大手医薬品卸も薬局の債権管理に対して厳しくなっており、「支払いが滞れば納入ストップ」も辞さない状況です。
同じエリアで複数の薬局に認定を与えるかどうかは疑わしいですし、認定を得られない薬局は報酬で格差をつけられる可能性があります。